【マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】
【第三話 ガドール評議会議員候補ユーリアの危機《ラハマの女豹》ふたたび】
飛行船【羽衣丸】の設計図も出来上がったルゥルゥと旅を一緒にするロリリコさんは、マダム・ルゥルゥの腐れ縁な素直になれない友人【ユーリア】から、ガドール評議会議員選挙に立候補するから警護しなさい。と上から目線で言われたのでカチンときたのですが、合理的な二人はそういうのは、どちらも承知之助でした……
【第三話 ガドール評議会議員候補ユーリアの危機《ラハマの女豹》ふたたび】
~ガドールの街~
「あなたは本当に政治家になりたいのね。呆れるわ…」
「あら?ルゥルゥ?誰かが政を仕切らないと秩序ある社会なんて構築もされなければ維持すらも出来ないわ?そんなこともわからないのかしら?」
「はいはい……あなたは賢い賢い…」
「なんて??」
「お二人共、御要件の打ち合わせの為にこうして会われたのではないのですか?」
極めて冷静沈着にマダム・ルゥルゥとユーリア女史を、見ための幼いロリリコさんがなだめるように諭しました。どちらが大人かわかりません…………
「それで……??私に何をしろと言うのかしら?」
「私がガドール評議会議員選挙に立候補することは書面であなたに伝えた通りよ。だけどガドール評議会の評議会議員の中には既得権益を私が脅かすと警戒心剥き出しの連中がワンサカ沸いてるわ……!!あぁ…忌々しい……!!」
ユーリア女史は、思わず手に持っていた硬いペンを真っ二つに折ってしまいました。
「もったいない……」
ロリリコさんはボソッと呟きました。
「あなたの言う通りよ……私はペンを一本もったいないことをしたわ…ガドール評議会の阿呆議員が私というペンを真っ二つにしたいのよ!!わかる??お嬢様?」
「私はリリコ…ロリリコでいい…」
~それからマダム・ルゥルゥとユーリア女史に何故かロリリコさんの三人が選挙期間中のユーリア女史護衛任務計画について打ち合わせをしました~
【ガドール評議会議員選挙候補ユーリア】
そう書かれた看板を掲げてユーリア女史は懸命に選挙活動に勤しんでいます。
「さてと、ロリリコ……私達の出番みたいよ……」
「ウィ、マダム……」
~ガドールの街上空~
「あらあら、ワンサカワンサカとユーリア一人の為に……ご大層に頭数を揃えたものね。ロリリコ。好きに戦いなさい。」
「ウィ、マダム……あなたも存分に……」
こうなるとあらかじめ予測していたマダム・ルゥルゥは、ユーリア女史に新しい九七式戦闘機《ラハマの女豹塗装》と、ロリリコさん用の赤とんぼ《ロリリコ仕様》をユーリア女史のポケットマネーから資金提供を受けて調達していたのでした……
「おい……なんか向こうから二機迫って来るぞ…!!アレは!《ラハマの女豹》??聞いてねぇぞ?奴はもう引退したんじゃなかったのか?」
「ホリー……俺達のツキが悪かったんだよ……」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッ!!!!!!!!
ホリーと呼ばれた襲撃者はルゥルゥに気をとられるあまりに、ロリリコさんの赤とんぼに隙をつかれてしまいあっけなく撃墜されてしまいました……
「ホリー!!よくも……」
ガッ!
ホリーの相棒は名乗りをあげることすら叶わずに《ラハマの女豹》の餌食になりました。
この一連の襲撃事件の首謀者は明らかにならなかったものの、反ユーリア派の行動力は大きく削がれることになりました。
その後、ガドール評議会議員選挙にユーリア女史は当選を果たしました。
【ガドール評議会議員ユーリア事務所】
「ルゥルゥ、相変わらずえげつない仕事ぶりね……」
「ユーリア、お褒めの言葉ありがとう……」
「この二人はどちらもどっちだわ……」
こうしてユーリア女史護衛任務は、無事に成功しました。
その一方で《ラハマの女豹》がふたたび歴史の表舞台に登場することになったのでした……
(つづく)
ユーリア女史のガドール評議会議員選挙と、その護衛について書きました。
ロリリコさんは赤とんぼ乗りにしました。
まだまだ続きます!!よろしくお願いします!!
どら焼きパンケーキ中佐