【キリエが見た夢パンケーキだらけの幻の中】
キリエがパンケーキの悪夢を見る事に……
私はキリエだよ。
コトブキ飛行隊の用心棒をお仕事にしてる。
今日もバカチと口喧嘩して、レオナに叱られて、ザラがたしなめてくれて、ケイトは冷静に状況を述べて、エンマはケイトに少し皮肉なツッコミを入れていたなぁ~
実にいつも通りのコトブキ飛行隊だ……
「マロちゃん♥マロちゃん♥マロマロマロちゃん♥」
「バカチ‼うるさい!」
「キリエにはマロちゃんの可愛いさがわからななんて、しんそーしんりがパンケーキで出来てんじゃない?」
「む~‼」
「はい、はい、二人とも早く寝なさい。」
ザラが私とバカチの間に入って喧嘩は終わった……
《本当にパンケーキの夢を見そうな気がする……》
…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ
「ふわ~よく寝た!」
ポカリッ!
「イタッ!!!!」
「ばっかもーん!お前の隼一型にはオイル代わりにパンケーキの液体入れてやった!早く出撃しねぇと頭ん中にパンケーキ流し込んで中身総ヒッカエにしてやんぞ!」
「ヒイィィィ!!」
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
いくらなんでもおかしいよ!!
ナツオ班長は冗談は言わないタイプの人だよ!
不思議な事に私の隼一型はパンケーキ燃料で稼働し、無事に空戦を終えて帰還出来た……
「キリエ、マダムが今回の報酬を渡すから来て欲しいそうだ。」
レオナにそう言われた私はマダムの個室をノックした。
コンコンコンコン
「入って……」
「マダム、お給料戴きに来ました!」
「はい。」
「へ?」
《パンケーキ券》
明確に紙切れに書かれている……
【オウニ商会】マダム・ルゥルゥのサイン入りだ……
「あの~マダム?パンケーキ券とはいったいぜんたいどういう事でしょうか?」
「あら?あなたはパンケーキが食べたいからこそ隼に乗れる用心棒稼業を選んでこの【羽衣丸】の用心棒をしているのでしょう?特別にあなたには【ジョニーズサルーン】で使えるプレミアムパンケーキ券で支給する事にしたの。」
「パンケーキ……パンケーキ……パンケーキ……」
私はパンケーキのキリエ……パンケーキの女……
パンケーキの為に空を飛ぶ女の子……
う~ん……むにゃむにゃ……
…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ…zzZ
「起きろ!キリエ!!」
「ハッ!ここはどこ?」
ゴツン!
「イタイ…」
「キリエ……パンケーキの食べ過ぎには気をつけるようにな?」
「パンケーキ……?怖いよ……パンケーキ怖いよ……パンケーキ怖いよ……」
「キリエがパンケーキを怖がる。これは天変地異の前触れ。」
「ケイト。不吉な事は言わないでくださいまし。」
「キリエ……大丈夫?」
『マロちゃんマジ天使……』
「キリエが……キリエが……おかしくなっちゃった!」
「リリコさんを呼んでくれ。」
「パンケーキでございます。」
「キリエにはこれが一番クスリだ……ぶち込んでくれ。」
《むぐぐぐ……!》
「パンケーキ♥」
私の悪夢は終わった……
ただいま♥愛しのパンケーキ♥
~完~