【#シアラ様異聞録ソアラ様っ】第二話
《シアラ……?いや、シアラはこんなに可愛いくない!》
~シアラの計らいによって雷電シアラ機【弐】に乗ったソアラはタネガシの空を放浪しています~
「おい!シアラの雷電がウチのシマに来やがったぜ……!!いい度胸してんじゃねぇか。ニコの親分にお知らせしろい!!」
ニコ組の副官トラオさんがかなり暴走気味に事態を物騒な方向に解釈しています。
「どうした?やけに騒がしいが…」
「シアラが!シアラが白昼堂々殴り込み来やした!!」
ズキューン!!
『か…かわいい…嘘だ?シアラ……いや、シアラはこんなに可愛くない!シアラハカワイクナイ…シアラハカワイクナイ…』
「お騒がせしてごめんなさい。ニコさん♬」
「ニコさん?お前はシアラじゃないのか?」
「トラオ。お前は下がっていろ…」
「見たか…親分のあの鬼の形相を…タネガシの大地が赤く染まるぞ…」
トラオさんの安定した妄想をよそにソアラとニコさんの会話が続きます。
「実はかくかくしかじかでソアラな私はシアラお姉さまのフリをしながらタネガシの地を離れなければならないのです。」
「そうか、お前はシアラの妹のソアラか…(何故だろう?シアラじゃないとわかったのにモヤモヤする…)」
~それからしばらく時間が過ぎました~
「ニコさん。それでは御機嫌ようさようなら。」
「ソア…シアラが引き上げるぞ!無抵抗の人間に手を出す輩はいないな?」
「シアラにさえも筋を通すとは…あの人の器は計り知れないぜ…‼」
ソアラの雷電【弐】はあてもないまま次の地を目指してテイクオフしました。
(つづく)